2010年12月18日(土)
居間にポンと置かれていたこの本が目に入り又借りして4日間。 昨日は、かみさんが図書館で借りてきていた本を読み終わる。 『日の名残り-The Rineins of the Day-』 カズオイシグロ著 土屋政雄訳 品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。 美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、 執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、 二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々 ―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。 失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、 ブッカー賞受賞作。(Amazon) このプロローグを見て思い出される方もたくさんいることでしょう。 主人公のスティーブンスがフォードに乗りソールズベリー平原を走りながら 20年を回想するロードノベル。 このプロローグだけで引き込まれますね。 ひとつひとつの出来事がゆっくりと丁寧に描写されています。 そこに主人公スティーブンス自身の考えが織りまぜられ、 さらにソールズベリーの田園風景を描き…美しい文章が展開されていく。 いつも抑えられているスティーブンスの感情は 彼自身が打ち消しそうとすればするほど伝わってくる。 失われつつある伝統的な英国を描きながら 失ってはいけない大切なもの伝え、そして前へ。 旅の終わりの夕暮れ時桟橋のベンチに佇むスティーブンスの脇に一人の男が腰をおろす。 かなしくなるほど余韻のある美しい結末。今更ながらに素晴らしかった。 夜は、アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンが演じた映画も一気に見る。
by canoa
| 2010-12-18 23:54
| + Book
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